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感情のアーカイヴ:トラウマ、セクシュアリティ、レズビアンの公的文化

¥4,400 税込

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ISBN 978-4-7634-2114-2
C0036
発行:2024年6月30日
四六判上製  504頁


●内容紹介●
レズビアンによる「彼女たちの歴史(ハーストーリー)」から、
トラウマ理論を組み立て直す

精神医療や、奴隷制・ホロコーストなどの公的惨事の歴史において、私的とされ、あるいは過度に病理化され不可視化されてきた、日常のなかのネガティヴな感情や性的トラウマ。ブッチ/フェム、ディアスポラ、エイズ・アクティヴィズムや癒しをめぐるレズビアン文化の多様で固有なテクスト・実践から、語られえないトラウマ、断片的ではかない記憶や感覚を拾い集め、トラウマ概念の再定義、そして未来のための新たな対抗的公共圏の創造を探求する。

小説、詩、エッセイ、回想録(メモワール)、ヴィデオ、映画、写真、パフォーマンス、インタビュー……さまざまな文化的テクストをもとにトラウマへの非臨床的アプローチの可能性を描いた2000年代初期クィア文化研究の意欲作。


●目次●
日本語版への序文
謝辞 
序章 
トラウマのアーカイヴズ 
第一章 クィア・トラウマの日常生活 
第二章 トラウマと触覚──ブッチ/フェムのセクシュアリティ 
第三章 性的トラウマ/クィアな記憶──インセスト、レズビアニズム、癒しの文化 
第四章 トランスナショナルなトラウマとクィア・ディアスポラの公共性
第五章 エイズ・アクティヴィズムと公的感情: ACT UPのレズビアンたちの記録
第六章 トラウマの遺産、アクティヴィズムの遺産──喪と闘争性再訪 
第七章 レズビアンの感情のアーカイヴにて
エピローグ
付記──インタビューについて
フィルモグラフィー
注 


●著者紹介●
アン・ツヴェッコヴィッチ(Ann Cvetkovich)
カールトン大学社会変革フェミニスト研究所教授。2024年よりテキサス大学オースティン校女性・ジェンダー・セクシュアリティ研究学部教授。
著書に、Mixed Feelings: Feminism, Mass Culture, and Victorian Sensationalism(Rutgers, 1992)、Depression: A Public Feeling(Duke University Press, 2012)など。GLQ: A Journal of Lesbian and Gay Studiesの元共同編集者。

菅野優香(かんの・ゆうか)
カリフォルニア大学アーヴァイン校博士課程(視覚研究)修了。同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。専門は映画・視覚文化研究、クィア・スタディーズ。
単著に『クィア・シネマ』(フィルムアート社、2023年)、編著に『クィア・シネマ・スタディーズ』(晃洋書房、2021年)、共著に『日活ロマンポルノ性の美学と政治学』(水声社、2023年)、The Japanese Cinema Book (BFI/Bloomsbury, 2020)、『クィア・スタディーズをひらく』(晃洋書房、2020年)など。

長島佐恵子(ながしま・さえこ)
東京大学大学院・ヨーク大学大学院修士(英文学)修了。中央大学法学部教授。専門は20世紀英国小説、クィア批評。
共著に『クィア・シネマ・スタディーズ』(晃洋書房、2021年)、『二〇世紀「英国」小説の展開』(松柏社、2020年)『読むことのクィアー続 愛の技法』(中央大学人文科学研究所、2019年)、『LGBTをめぐる法と社会』(日本加除出版、2019年)など。

佐喜真 彩(さきま・あや)
一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程単位取得退学。博士(学術)。立教大学非常勤講師。専門はポストコロニアル研究・沖縄文学・フェミニズム研究。
論文に「憑依される身体から感染する身体へ:目取真俊「群蝶の木」にみる戦後世代の戦争トラウマ」『女性・戦争・人権』(21号、2022年)、“Voices of Despair: Encounter Between a Sex Worker and a Soldier in Post War Okinawa in Sueko Yoshida’s Love Suicide at Kamaara” Correspondence, (3: 2018)など。

佐々木裕子(ささき・ゆうこ)
東京大学大学院博士課程単位取得退学。大学非常勤講師(杏林大学ほか)。専門はフェミニズム研究、クィア研究、レズビアン研究。
論文に「 「ピンクの肉が覗いている」──「茅ケ崎へ、茅ケ崎へ」におけるらいてうと紅吉の身体的な感応について」『女性学』(28巻、2021年)、「 「レズビアンとか何かとは違って」──石井桃子『幻の朱い実』における女どうしの非性的で身体的な関係性について」『JunCture』(13号、2022年)。共著に『統べるもの/叛くもの──統治とキリスト教の異同をめぐって』(新教出版社、2019年)など。



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